災害対応
震度6弱の地震が発生した場合は各救護所へ
災害対策マニュアル
自院の確認
- 1.家族・従業員および従業員の家族の安否を早急に確認
- 2.自院の状況を確認。医薬品等の状況、水道、電気、ガス等のライフラインの確認
- 3.近くの応急救護所へ出動(出来得る限り自院の看護師も随行させる)
応急救護所
- 1.班長に点呼、班長に事故あるときは、その場で仮班長を早急に決定
- 2.応急救護所を設置して、医薬品・医療用具を確認
- 3.班長の指示で救護所内の役割を確認(トリアージ班・処置班等)、処置班においてはテント数により、重症者・中症者・軽症者テントを分ける。また、死体安置所等も決定する
- 4.医療救護本部へ設置の報告
トリアージ班の組織
- 1.応急救護所(小・中学校)の出入口で待機、搬送される患者に素早いトリアージを行う
- 2.搬送者にトリアージタグを付け、搬送先(いずれのテントか死体安置所へ搬送するか)を指示
- 3.黒色(死亡および手の付けようがないと認めた場合)を付ける場合は、家族に対するインフォームドコンセントをとる。家族が納得しないようなら人工呼吸法を施し、家族が納得いくまで行わせる
救護班の組織
- 1.重症者テント・中傷者テント・軽傷者テントと大まかに分け、医師それぞれの専門性を生かして対応
- 2.病院搬送が必要な者が出た場合は、自主防災隊と検討し輸送手段を確保すると同時に、防災無線や非常電話、個人の携帯電話を駆使して後方病院の確保かヘリコプター搬送を依頼
- 3.処置中は、盗難や家族へのインフォームドコンセント(どのような状態か、助かるか否かを明確かつ的確に伝える)に留意する。また、無駄な処置は出来得る限り省く
- 4.死亡者は、救護所内の体育館や空教室へ安置、死者多数の場合は近隣の寺社へお願いし臨時に安置場所を設ける
- 5.別班が組織出来得る状況ならば、(1)点呼召集確認がない医師宅の被害状況の確認、(2)公園等の応急救護所以外の避難所において救護活動、(3)倒壊家屋からの救出活動を行う。この場合点滴および止血帯を携行しクラッシュシンドロームを予測して行動
班長
- 1.救護活動状況を把握、医師・看護師が足りない場合は、隣の救護所と連絡をとり、その状況に照らして、隣の救護所と合体、基幹救護所を設置
- 2.他県・他市町村・日赤からの応援隊が到着した場合、現況の説明と役割分担の再編を行う。この際、自院での診療が可能な状態の開業医は、自院に戻り医療救護活動を行っても可。班長は自院で救護活動をする医師を把握
- 3.別班および歯科医と協力して検死班を組織。警察と共同で死体安置所および近隣寺社に安置された者に対して、速やかに検死を行う
浜松市医師会災害対策プログラム
浜松市医師会では、浜松市と協力して総合防災訓練や医療救護訓練など災害対策への積極的な取り組みを実施してきました。今後さらなる防災力強化を目指して、従来の対策に加えて医療機関の減災、早期復旧に焦点をあてた対策にも取り組むことにいたしました。
しかし、現実的には何から取り組むべきか分からず、立ち止まってしまうことも多いと思います。そこで身近なところから災害対策をスタートできるように、「浜松市医師会災害対策支援プログラム」と称して以下の資料を作成しました。
- 1)浜松市医師会防災アクションプラン
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簡単なチェックリストとその解説です。自宅用と医院用とがあります。まずは自宅用のチェックリストを実施してみてください。この時点でチェックが多い少ないは問題ではありません。予測される被害の種類や事前対策を明確にすることが目的です。次に医院用もチェックしてみてください。自宅用には解説も作成しました。どのように対応したら良いか、ヒントになることをなるべく簡潔に記載しました。
- 浜松市医師会防災アクションプラン(PDF)
- 2)災害伝言ポケットガイド
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NTTの災害伝言ダイヤルおよびそのWeb版の使用方法が記載されています。家族の番号や幼稚園、介護施設の連絡先を記入する欄もあります。自身の家族や、職員家族に配布してください。家族間の安否確認のために必要です。縦に二つ折りにした後、アコーディオン様に四つ折りにすると常に携帯できるサイズになります。
- 災害伝言ポケットガイド(PDF)
- 3)災害対応データベースフォーム
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職員リスト、供給品や設備などの業者の連絡先リスト、備蓄品のリストで成り立っています。職員の連絡先を記入し、「災害伝言ポケットガイド」を配布・所持してもらうことで災害時の安否確認が可能となります。
以上で医療機関の災害対策をスタートすることができます。あとはチェックリストをときどき見直していただき対策を進め、備蓄品も徐々に整備していってください。
- 災害対応データベースフォーム(PDF)
- 4)浜松市医師会BCP作成支援プログラム
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さらに災害対策を進めようとする医療機関は「浜松市医師会BCP作成支援プログラム」を利用して包括的な災害対策を推し進めてください。BCPはBusiness Continuity Planの略で、本来は企業が災害時に被害を最小限にとどめ、早期復旧を可能にするための手法として普及し、大企業や基幹病院にその作成が求められているものです。そのコンセプトを小規模の医療機関でも簡便に活用できるように工夫しました。災害対策のノウハウが凝集されています。難しいことはありません。すぐに活用できるように作成しましたので是非ご活用ください。
- 浜松市医師会BCP作成支援プログラム(PDF)
アマチュア無線による医療救護
「浜松市医師会アマチュア無線クラブ(JJ2YKL)」を創設し、従来の防災無線に加え、アマチュア無線の導入により、応急救護所と医師会本部間の通信網強化を図っています。平時はアマチュア無線を楽しみながら通信技術の向上に努め、より多くの市民や医師会員がアマチュア無線免許を取得できるように活動しています。