在宅医療
団塊の世代が75歳以上になる2025年を見据えて、「地域包括ケアシステム」の構築が各機関や地域住民を含めて進められています。
住み慣れた地域で、どんな状態になっても安心して暮らし続けられるようにという理念の実現のためには、医療と介護の連携が必須です。とりわけ、医療機関も地域への訪問を積極的にしていく必要があります。
2016年3月に発表された静岡県地域医療構想では、西部医療圏で2025年には平成23年度と比べて約1000件の訪問診療の増加が必要と推測されています。訪問診療対応の医療機関がないために医療を受けられない人が発生しないように、今から準備を進めていく必要があります。
医師会の先生だけで地域医療を推し進めることは困難です。医師同士のネットワーク構築や、多職種との協働で、患者さんを支えていく必要が迫っています。一人でも多くの先生が在宅医療に関心を持ち、その実施機関となっていただけるように、本ページではさまざまな情報提供をしていきます。
在宅医療推進員
2015年11月より、静岡県医師会の受託事業として「訪問診療参入促進事業」を実施しています。その専用窓口を設置し、2016年4月より専任の在宅医療推進員を配置しています。
推進員は次のような仕事をしています。
- ①かかりつけの患者さんを最後まで支える医療を提供する際に、医師たちにかかる負担を軽減する方法を一緒に考えます。あわせて、ケアチームのバックアップにも取り組みます。
- ②看取りを含めた在宅医療に取り組む医師が増える環境を考えます。
- ③在宅医療に関する地域資源を把握し、医師や関係機関に情報提供します。
- ④在宅医療関係機関と情報交換の機会を持ち、気軽に相談できる体制をつくります。
訪問診療参入のためだけではなく、在宅医療にまつわるさまざまな相談窓口としても対応しており、関係機関の専門職とも協力して解決を目指します。お気軽にご相談ください。
浜松市医師会「在宅医療相談窓口」専用ダイヤル
053-452-2531
開設時間/月〜金 9:00〜17:00(祝日・年末年始除く)
zaitakuiryo@jim-hamamatsu-med.or.jp
在宅医療を始めるために
在宅医療を始めようとしている医療機関の先生へ、技術的な学習や制度について情報提供します。
医師向けのテキスト
訪問診療開始時に必要な手続きと書類
- 届出に関すること
- 用意する書類などのひな型
- 地域のさまざまな機関と連携するための情報
連携を取ることが多い機関の特徴をまとめた冊子
『医師のための在宅医療便利帳』浜松市医師会刊
一般住民向け冊子(患者さんへの指導や説明にお役立てください)
- 『うちへ帰ろう ~在宅医療お助けブック~』浜松市医師会刊
- 『病院から「家に帰りたい」という人のために』勇美財団刊
- 『訪問看護活用ガイド』勇美財団刊
看取りを支援するために
死亡診断書
医師同士の協力・専門的支援
浜松在宅ドクターネット
認知症診療における連携
認知症の人・家族のための相談窓口
- ●聖隷三方原病院 浜松市認知症疾患医療センター
- TEL 053-439-0006[専門の相談員]
月〜金 9時〜17時(祝日および年末年始は除く) - ●認知症コールセンター
- TEL 0545-64-9042[「認知症の人と家族の会静岡県支部」の会員が相談員]
月・木・土 10時〜15時(祝日および年末年始は除く)
緩和ケアにおける連携
在宅医療における緩和ケアは大切な要素のひとつです。しかしながら一人医師体制の診療所では対応に悩まれる先生もいらっしゃるのではないでしょうか?
浜松地区では平成20年度から22年度にかけて、聖隷三方原病院を中心にがん対策のための戦略研究「緩和ケア普及のための地域プロジェクト(OPTIM)」が行われ、地域のさまざまな連携が促進され、多くの実を結びました。
OPTIMのホームページではさまざまなパンフレットがダウンロードできるようになっており、在宅緩和ケアの手技などが「緩和ケアムービー」として紹介されています。緩和ケアに困ったとき、勉強したいときはホームページをのぞいてみてください。
また、浜松地区では、緩和ケアで専門医に相談したいときは、以下のホットラインにメールすると24時間以内に返事を受けられます。困ったときはぜひご利用ください。
【緩和ケアホットライン】kanwa-hotline@umin.ac.jp
グリーフケアについて
がん患者さんのご家族から悩みを相談されたり、ご遺族のグリーフケアに悩まれることもあるかもしれません。そんなときは浜松市精神保健福祉センターにご相談ください。
- ●浜松市精神保健福祉センター
- がん患者さんのご家族や、がんでご家族を亡くされた方からの相談窓口
TEL 053-457-2709
来所相談(予約制)金曜 9時~12時 - ●がんでご家族を亡くされた方のつどい
- 精神保健福祉センターにお問い合わせください
- ●こころのホットライン
- TEL 053-457-2195
月~金 8:30~16:00 (祝日、年末年始を除く)
介護保険制度を活用する
介護保険意見書等、書類関係
多職種との情報共有
静岡県版在宅医療連携ネットワークシステム
静岡県内の在宅医療・介護現場のためのITネットワーク型情報共有システムです。多職種、多事業所(在宅主治医、訪問看護師、ケアマネジャー、病院主治医、病院看護師、MSWを含む地域医療連携室職員など)との、地域医師会等における連携の促進を目指しています。
主には在宅療養中の患者さんの情報を、主治医を中心に関係する多職種がICTを活用して共有する仕組みとして構築されています。
ケアマネジャーとの連絡
ケアマネジャーと主治医との連携に用いる文書一覧
文書の種類 | 使用目的 | 文書内容 | 主治医の対応 | 料金 |
---|---|---|---|---|
FAX送信票 主治医意向確認用 2019年5月改定 改元対応 |
ケアマネジャーがケアプラン作成時等に事前に主治医との連携方法を確認するために使用 | 1.ケアプラン作成への関わり方、サービス担当者会議への参加の有無。 2.ケアプランの確認方法。 3.ケアマネジャーから主治医への連絡方法。 |
該当する箇所に○をつけて返信する | 無料 |
FAX送信票 主治医相談用 2019年5月改定 改元対応 |
ケアマネジャーが医師からの診療情報提供を受けたい場合,または問題が発生し,主治医に対して医学的意見や医学的観点からの留意点について情報提供を求める場合 | 1.ケアマネジャーの意見に対して特に問題なし 2.医学的観点からの留意事項等について診療情報提供書(様式12-4)で回答する 3.医学的観点からの留意事項等について送信票で回答する |
1の場合:送信票で○を付けてそのまま返信 2の場合:診療情報提供書(様式12-4)を使用して回答 3の場合:送信票の回答欄を使用して回答 |
*送信票は無料 *診療情報提供書(様式12-4)は医療保険で250円 (1割負担時) |
診療情報提供書(様式12-4) |
医師がケアマネジャーに対して詳細な診療情報を提供する場合に使用 | *医療保険で情報提供料算定(月に1回限り) *レセプトに情報提供した介護保険事業者名を記載 *同時に診察ない場合,診察料算定不可 |
*医療保険で250円(1割負担時) *介護保険の居宅療養管理指導料との同時算定不可 |
*ケアマネジャーが主治医に情報提供を求める場合、あらかじめ利用者・家族に対し情報提供について同意を得ると共に医療機関より情報提供料として自己負担金を請求される可能性があることを説明し、了解を得る